省エネ・真空チルドの日立冷蔵庫
さて、前回は冷蔵庫選びの基本をお伝えいたしました。
今度は、各メーカー毎の特色と2019年のラインナップをご紹介いたします。
トップバッターは、先日活動休止を表明された『嵐』がCMキャラクターを担当されている日立の冷蔵庫からです。
日立冷蔵庫の特徴
まず、メーカー全体としての特色、『これが欲しいなら日立を買え』からです。
【チルド室】 真空チルド
日立と特徴といったら、なんといっても『真空チルド』でしょう。
これは、肉、魚類を保存する『チルドルーム』の一部が空気を抜いて『真空』状態に出来る、という他メーカーにはない機能です。
『真空』と聞くと、一般的な考え方としては、宇宙空間のような『空気のない状態』を思い浮かべる方もいると思いますが、あくまで『空気を抜いて酸素を薄くした』状態です。
例えるなら、高山の上部や飛行中の飛行機内などと同じ、気圧が低い状態です。
技術的には、この状況を『真空』と言うのだとか。
おおよそ、地上から3000m上空を飛行する飛行機の中が、この真空チルドルームと同じ『0.8気圧』などだそうです。
まず、低気圧状態だと何が良いのか?という話ですが、
基本的に、食品は酸素に触れる事によって酸化を促され、劣化していきます。
この酸化を抑え、食品の劣化を防ぐのが真空チルドの役目です。
チルド室奥についた真空ポンプによって空気を抜いて、低気圧状態を保ちます。
また、空気を遮断した密閉状態で保存するため、冷気が直接食材に当たらないようになっています。これでラップなしでも食材の乾燥を抑え、鮮度を長持ちさせます。
一般的な冷蔵室に置いた場合と真空チルドルームで保存した場合のハムです。
このように、食材の劣化を抑え冷凍しなくても短期保存に向いているのは、真空チルドだけです。
常に新鮮な食材で、新鮮な料理を美味しく食べたい方はお勧めの機能です。
【冷蔵室】高さかわるん棚
一般的な冷蔵庫も棚板の高さは変えられます。
が、棚板が一枚になっており、乗っている全ての食材を一旦どかさなければ高さを変える事が出来ません。
しかし日立の場合、下部の棚が中央で2枚に分かれており、棚板毎に細かい調整が可能となっています。
冷ました鍋、急に増えた缶ビールなど、その場に応じて簡単に高さを変えられるのは、意外と便利です。
【野菜室】新鮮スリープ野菜室
まず、野菜室がたて収納スペースと、上段・下段スペースの3種類に分けられています。
まず、ほうれん草や、アスパラガスなど上に伸びる葉野菜は、横に寝かすと繊維が痛んでしまうので、たてに収納した方が長持ちします。
そして、下段スペースに『プラチナ触媒』と呼ばれる空気清浄フィルターが付いています。
この『プラチナ触媒』と呼ばれるフィルターが、野菜を長持ちさせる秘密です。
従来、野菜は収穫後も完全に死んだ訳ではなく、呼吸したり、内部に溜め込んだ栄養素を使って成長したりと、活動しています。
葉野菜などは、しばらく放置しておくと葉が成長したり、ジャガイモも芽が出てきたりしますよね。
ただし、その際に『エチレンガス』と呼ばれる腐敗を早めるガスを放出します。
これは成熟した果物などが、自らの老化を早め、腐敗に向かう事により、種を露出させるために必要な行為ですので、止める事は出来ません。
まだ成熟しきっていない果物などを、成熟した果物と一緒に置いておくと、成熟がはやまったりする効果もあります。
しかし、食べるのに適した成熟をされている野菜や果物を買って保存しておくと、エチレンガスによって腐敗が早まってしまいます。
そのエチレンガスを触媒に取り込んで、水や炭酸ガスに分解してしまうのが、このプラチナ触媒です。
通常、2~3日で萎れてしまう野菜などが、冷蔵庫の野菜室に保存する事によって、一週間も長持ちしたりします。
【従来品】
【新鮮スリープ野菜室 搭載モデル】
ほんとうかよ、って思うかもしれませんが、家電量販店でデモ用に野菜を入れている場合もありますので、興味がある方は是非ご確認下さい。
【野菜室・冷凍室】 重いストッカーもスイスイ 電動引き出し
最上位機種のWXシリーズのみに採用されている機能ですが、下部の野菜室、冷凍室には電動式のアシストが付いているので、ボタン1つで開閉します。
食材を貯めこんでいくと、ストッカーの出し入れ1つでも、腕や腰に負担が掛かります。ボタンひとつでストッカーが出てきますので、あるととても便利です。
以上が、大まかな日立冷蔵庫の特徴です。
お読みいただいた中で、気に入った機能はありましたか?
人気機種はWX74J 売れ筋はXGシリーズ
2019年2月に、日立は新製品の入れ替えを徐々に行っています。
そのため、2月時点で大容量タイプの最高級モデル『R-WX74J』『R-WX62J』が、価格が非常に安くなっています。
74Jの場合、昨年の売り出し価格が50万円近くしましたが、2月の時点で25万前後(税別)。62Jに至っては、45万前後だった価格が20万円を切るか切らないかぐらいまで下がっています。
62Jはもう在庫がないかも知れませんが、74Jは品薄で残っているようですので、6人などの大家族向けでしたら、『R-WX74J』はお勧めです。
なまじ新製品の600Lクラスを購入するより、こちらの方が割安です。
が、幅が90cm近く必要なので、設置スペースは充分お気を付けください。
また、主力機種の450~550Lクラスでもモデルチェンジが行われています。
次期モデルである『HW』シリーズは、2018年モデルの『XG』シリーズと比較して、
・本体幅が68.5cmから65cmに変更されたが、容量はアップ
・機種にもよるが10%以上の低消費電力
・冷蔵、冷凍、チルド室を用途に応じて変えられる『ぴったりセレクト室』
と結構良いこと尽くめですが、価格差が10~15万くらい存在します。
最後の『ぴったりセレクト室』は結構曲者で、なんと中段~下段の野菜室、冷凍室を設定に応じて『冷蔵』『冷凍』に切り替え可能という、とんでもない機能を搭載しています。
いや、こんなもの出されたら『冷凍が大きい方が』とか『やっぱり野菜室重視で』とかもう悩む必要ありません。
間違いなく、超便利です。
ただ、切り替えには相当時間が(数時間~半日)掛かるのと、野菜室は野菜室、冷凍室は冷凍室に適した構造してるんだけど、どうなんだろうか?という疑問も沸きます。
あんまり、高価で新発想なものに手を出すのは、いわゆる『人柱』というものでお勧めしていません。
2019年2月時点で購入するのなら、間違いなくXGシリーズがお勧めです。

日立 真空チルド 冷蔵庫 プレミアムXGシリーズ 505L クリスタルシャンパン R-XG5100G XN
- 出版社/メーカー: HITACHI(日立)
- メディア: ホーム&キッチン
- この商品を含むブログを見る

日立 冷蔵庫 615L 6ドア 両開き 真空チルド新鮮スリープ野菜室 デリシャス冷凍 R-XG6200H XT
- 出版社/メーカー: HITACHI(日立)
- 発売日: 2017/09/21
- メディア: ホーム&キッチン
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最後に 日立の冷蔵庫はお勧めか
昨年も含め、国内冷蔵庫出荷台数は日立がトップを走っていますので、人気、売れ筋商品である事は、間違いありません。
とりわけ、真空チルドと省エネ性能に関しては、他社メーカーでも追い付くのが精一杯な感がありますので、ここが気になる方にはお勧めです。
ただし、高級志向が強く同クラス帯では他メーカーと比べて、価格が高めに設定してあるのも事実です。省エネ性能が高くても、20年くらい使わないと、元が取れない可能性が高いです。
また、売れ筋製品を見ても、クリスタルガラスなど、評価の分かれるデザイン性は注力しており、『冷えればよい』という方とは、嗜好が合わないかもしれません。
どれが一番お得か、という方より、どれが一番人気か、という方にはお勧めの冷蔵庫になります。
それでは、最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。